■Google AI Studioの概要
Google AI Studio(グーグル・エーアイ・スタジオ)は、Googleが提供する最新のAI開発・プロトタイピングプラットフォームです。
特に、最新の生成AIモデル「Gemini」ファミリーを手軽に試したり、独自のアプリケーションを構築したりするために設計されています。
Googleのアカウントを持っていればすぐに利用できるので試しに使ってみてください。
主な機能概要は以下の通りです。
1. 最新のAIモデルへのアクセス
Geminiモデルの利用
Googleの最先端のAIモデル(Gemini Pro, Gemini Flash, Gemmaなど)にブラウザ上で直接アクセスし、無料で試用できます。
マルチモーダル対応
テキストだけでなく、画像、音声、動画、PDF、URLなど、多様なデータ形式をAIに入力し、分析や処理を指示できます。
2. プロンプト作成とテスト(Prompt Engineering)
プロンプト環境
AIへの指示文(プロンプト)を効率的に作成・検証・改善するためのインターフェースが提供されています。
パラメータ調整
AIの応答の創造性(Temperature)や一貫性(Top Pなど)を細かく調整し、出力結果をカスタマイズできます。
モデル比較
複数のAIモデルを同時に実行し、出力結果を比較しながら、ユースケースに最適なモデルを選択できます。
3. 高度なマルチメディア処理機能
動画・音声認識(Video Analyzer)
動画ファイルや音声ファイルをアップロード、またはYouTubeのURLを入力することで、AIが内容を分析し、文字起こし、要約、目次生成などを自動で行います。
リアルタイム対話(Stream Realtime)
PCのマイクやカメラ、画面共有からの入力をリアルタイムで処理し、遅延の少ない自然な音声対話や、画面の内容を認識した操作支援などを実現します。
画像・動画生成
テキストの指示(プロンプト)から、高品質な画像や動画(Veo、Imagenなど)を生成できます。
4. アプリケーション開発への連携
APIキーの発行: 作成・検証したプロンプトを、すぐに使えるコードとして取得し、APIキーを発行して独自のアプリケーションや外部サービスに組み込むことができます。
ノーコード/ローコード開発(Build Appsなど)
非エンジニアでも、プロンプトベースで簡単に業務効率化ツールやチャットボットなどのAIアプリケーションを構築できる機能も提供されています。
Web検索(Grounding)
AIの回答に最新のWeb検索結果を含めることで、情報の正確性を高める機能があります。
Vertex AI Studioとの違い
Google AI Studioは、主に開発者やビジネスユーザーが無料でAIモデルを試したり、プロトタイプを作成したりすることに特化しています。
一方、Vertex AI Studioは、Google Cloudのサービスとして提供され、企業向けの高度なセキュリティ、大規模なデータセットの学習、モデルのファインチューニング(調整)、本番環境へのデプロイ(展開)といった、よりエンタープライズ向けの機能を提供しています。
■Google AI Studioサイドバーの主要機能
Google AI Studioのサイドバー(画面左側のメニュー)には、AIを活用したプロトタイピングや開発を行うための主要な機能が格納されています。
サイドバーは、ユーザーがAIモデルをどのように利用したいかに応じて、作業環境(プロンプトの形式)を切り替える役割を果たします。
主要な機能は以下の通りです。
1. Chat(チャット)
機能:最も基本的な対話型のインターフェースでGeminiモデルと質問応答や、会話形式で文章を生成したいときに使用します。
特徴:過去の会話の文脈を記憶し、画像・音声・動画などのマルチモーダルな入力にも対応します。
2. Stream(ストリーム)
機能:リアルタイムでの音声や映像のやり取りを試すためのインターフェースです。
特徴:
Talk:マイクからの音声入力を即座に処理し、AIとリアルタイムで会話できます。
Webcam/Share Screen:カメラ映像や画面共有の内容をAIにリアルタイムで認識させ、それに基づいた応答を得られます。
3. Generate Media(メディア生成)
機能:テキストの指示(プロンプト)から画像や動画といったメディアコンテンツを生成するためのインターフェースです。
特徴:Googleの画像生成モデル(Imagen)や動画生成モデル(Veo)を利用し、プロンプトに基づいて新しいビジュアルコンテンツを作成・編集できます。
4. Build(ビルド)
機能:プログラミングの知識が少なくても、AI機能を組み込んだアプリケーションのプロトタイプを構築するためのインターフェースです。
特徴:テンプレートや構成要素を選択し、Geminiモデルを組み込むことで、チャットボットやワークフロー自動化ツールなどを素早く試作できます。
5. History / My Library(履歴 / マイライブラリ)
機能:過去のチャットや作成したプロンプト、テスト結果を管理・保存する場所です。
特徴:以前の作業を呼び出して編集したり、チームメンバーと共有したりするのに役立ちます。
その他の管理・設定項目
サイドバーの下部には、アカウントや開発環境を管理するための重要なリンクがあります。
API KeyGemini
APIキーを発行・管理する画面へのリンクです。
ここで取得したキーを外部アプリケーションに組み込むことで、AI Studioで検証したプロンプトを実際のサービスで利用できます。
Settings (設定)
アカウント情報、プラン情報(課金設定)、データ管理、言語設定など、AI Studio全体の動作環境をカスタマイズする設定画面です。 |
Help (ヘルプ)ドキュメントやサポート情報へのリンクです。 |