【2024年】暗号資産(仮想通貨)業界の最新動向と大統領選挙への影響

【2024年】暗号資産(仮想通貨)業界の最新動向と大統領選挙への影響

2024年6月現在、暗号資産市場は調整局面に入り価格下落を余儀なくされている。
理由はこれまでFRBが利下げに踏み切るとの期待が強かったが、当面利下げの判断に時間が掛かりそうとのパウエル議長の発言によって失望感が強まっているためだ。
6月7日、米労働省が発表した雇用統計の数値が、予想以上に強かったことが利下げに舵を切る方向へ向かうことを妨げている。
米国大統領選に向けてバイデン政権は、景気が強いことをアピールしたかったとの思惑が垣間見える。
結果は非農業部門雇用者数が27.2万人増で予想を大幅に上振れ、失業率が4.0%に上昇、そもそも事業所調査では同一人物が複数の事業所で働いている場合ダブルカウントとなるが、今の米国では掛け持ち就業が一般的となっており、正規雇用が減少して非正規雇用が増加しているため景気は決して良好と言えるものではない。
しかも大量の不法移民の就業者もカウントされていることを考慮すると、雇用統計の数値は実態経済の状況からかけ離れていると言わざるを得ない。
そのため、雇用統計の数値は7月には訂正されて9月には利下げ方向に向かう可能性があり、利下げの実施が見えてくれば暗号資産市場に追い風となり、7月5日の雇用統計、7月16日のCPIが注目される。
今年2024年はビットコインの半減期が訪れ、これまで半減期の年後半から翌年には仮想通貨の暴騰が起こっている。
さらに2024年11月には大統領選挙が控えており、暗合資産業界が選挙に与える影響は無視できないとされている。

■相次ぐ暗号資産のETF承認

2024年1月10日、暗号資産(仮想通貨)の代表格として知られるビットコイン(BTC)の現物ETF(上場投資信託)がSECに承認された。
取引初日の11日には7億ドル(約1000億円)を集め、開始から6日間で約9万5000BTCが保有され、資産総額は40億ドル(約5900億円)に達したとされる。
さらに5月24日にはイーサリアム(ETH)の現物ETFが承認、取引開始は早ければ7月、遅くても今夏中に取引が開始される見込みである。
デジタル資産に関する分析を行う「K33リサーチ」は4日、米国でイーサリアム(ETH)の現物ETFの取引が開始されれば、
最初の5カ月で31億ドル(約4,790億円)から48億ドル(約7,430億円)の資金が純流入する可能性があるとの見方を示した。
この純流入額はイーサリアムの80万ETHから126万ETHに相当する。
この規模の供給量が現物ETFに吸収されれば、イーサリアムの価格上昇につながる可能性が高いと予想している。
その後にはソラナ(SOL)が来年の現物ETF承認の有力候補として挙がっている。

5月21日に発表されたFRB(米連邦準備制度理事会)の年次家計調査によると、昨年に仮想通貨の所有または使用を報告したアメリカの成人の数は約1800万人(約7%)に減少した。

■米国大統領選への影響

米共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏は、暗号通貨による政治献金を受け付けると発表した。
トランプ氏はライトニングネットワークでの選挙寄付を受け入れる最初の大統領候補となった。
また、仮想通貨企業がSECなどから不当な規制を受けることなく、5,000万人の国民による仮想通貨のセルフ保管の権利を約束するとした。
コインベースの調査では、仮想通貨を所有しているアメリカ人は5200万人と報告している。
ビットコインマガジンによると、CleanSpark、Riot Platforms、Marathon Digitalなどの大手ビットコインマイニング企業の代表者や、Fabiano Consultingを含む著名な業界関係者が出席し、トランプ氏とビットコイン採掘とエネルギーについて意見を交換した。
Riotの公共政策部長は、トランプ氏はビットコインを所有する権利、採掘する権利、取引する権利、そして私たちがビットコイン業界で働く権利を守るだろうとコメント。
暗号資産業界に関与する人々は、トランプ氏支持に回ることが予想されている。

ビル・ハガティ議員はSECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長に対し、「あなたは、ルール作りを切実に必要としている分野に優先順位をつけていない。
仮想通貨業界のために、建設的なルール作りをしようと言っているのだ。
これは革新的な業界で、米国がリードすべき業界だとし、他国では、仮想通貨エコシステムに関するルールが策定されている。
しかし、SECやCFTCが起こしているのは、常に障害となり、確実性を欠くことだ。
そして、この革新的な業界は、ますます海外に追いやられている。
これは我々の望む結果ではないのだ」と指摘した。
バイデン大統領に任命されたゲンスラー委員長は、これまでバイデン氏と同様アンチ仮想通貨の立場を取ってきた。
現在、米国議員2人が、SECの不正行為に対する説明責任を追求し、ゲンスラー委員長を2024年に解任する取り組みを共同で行っている。

今年秋には実態経済が減速が鮮明となることで、さらにトランプ氏が優勢となる可能性が高くなる。
日本では過去最低水準に低下した岸田政権の支持率から岸田降ろしの準備が始まっている。

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