2008年9月、米国大手投資銀行リーマン・ブラザーズは、史上最大規模の総額6000億ドルを越える負債を抱えて倒産。
リーマンショックを発端に米連邦準備理事会が実施した米ドル紙幣大量発行は、中央銀行に対する不信感を抱かせる結果となった。
ビットコインは、このような中央集権的に管理される法定通貨への対抗策として、誕生したとされる説が有力とされている。
2008年10月、サトシナカモトと名乗る正体不明の人物が、インターネット上にビットコインに関する論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」を投稿。
この論文に基づいて、ナカモトをはじめとするネットユーザ達によって、構築され出来上がったものが、ビットコインと呼ばれるネット上の仮想通貨です。
ビットコインの取引履歴は、ブロックチェーンと呼ばれる分散型の仕組みで管理され、一定量の取引履歴をまとめて一つのブロックに保管されます。
ブロックチェーンとは、複数のブロックを関連付けた取引記録の集合体で、同一のものが複数のコンピュータに分散されるため、極めて改ざんが難しく安全とされています。
最初のブロックが生成された2009年1月は、ビットコイン誕生の年として歴史に刻み込まれました。
1BTCが1円にも満たない無価値に等しいビットコインでしたが、15年後の2024年現在は1000万円の値が付いています。
ビットコイン投資は4年毎に発行量が半分となる半減期によって価格が上下するため、シンプルで分りやすいことが特徴です。
1000円程度の少額で取引することが可能なため、初心者にも取り組みやすいのがビットコイン投資と言えます。
多くの日本人は未だに円預金中心で資産を保有しているようですが、ここ十年間でドル円ベースの円の価値は半分になりました。
円預金は安全な資産ではなくリスク資産であり、株式や為替は一部の国や企業によって操作される可能性があります。
ビットコインは、金などの現物資産ではありませんが、国や企業による操作が困難な世界共通の資産であることが認識されてきました。
■ビットコイン価格上昇の理由
2009年1月に誕生したビットコインは、15年経過した現在まで上げ下げを繰り返しながら右肩上りで上昇してきた。
当初は1BTCの価値は1円にも満たなかったが2024年3月現在には1000万の大台を達成、多くの億万長者を排出して世界中の誰もが知る存在となった。
2021年6月、エルサルバドルでは世界で初めてビットコインを法定通貨として認められた。
エルサルバドルが保有するビットコインの正確な規模は不明だが、ブケレ氏のSNSアカウントによると、4億700万ドル近くに達しているという。
これまで米ドルは貿易決済の基軸通貨として世界を一局支配してきたが、敵対する国に対してドル資産を凍結するなど強硬な政策によって米ドル離れを起こし始めている。
これに対してビットコインは特定の国によってコントロールすることが出来ないため、米ドル以上に信頼性の高い資産価値として評価が高まっていく可能性がある。
世界の経済、金融情勢の不安要因が高まる中、ビットコインの存在価値は、今後も高まっていくと予想される。
◆ビットコインの安全資産としての評価
インフレーションなど金融や経済不安が高まると避難先としてビットコインの評価が高まる傾向がある。
2008年9月に発生したリーマンショックの対応策として、FRBが実施した米ドル紙幣大量発行は、中央銀行に対する不信感を抱かせる結果となった。
ビットコインは、このような中央集権的に管理される法定通貨への対抗策として誕生した説が有力とされている。
2023年7月のビットコイン価格の上昇は、米国銀行の破綻による法定通貨への不安が高まったためと見られている。
米国のインフレーションや経済不安、さらに世界のドル離れが囁かれる昨今、ビットコインの価格は今後も上昇すると考えられている。
◆ビットコインの希少価値の評価
ビットコインの総発行枚数には約2100万枚という発行上限が設定されていて、23年3月時点で約1930万枚が発行済、約170万枚が今後発行できる枚数となる。
この2100万枚という数字は、地球上に存在する金が21万トンということを意識して設定されたと言われている。
そのため、金などの貴金属と同様に希少価値が評価されて、今後の価格上昇が期待されている。
ここにデジタル・ゴールドと呼ばれるビットコインの由来がある。
◆決済手段としての評価
仮想通貨には価値を担保するものがないと言われているが、現在、世界中でビットコインを決済手段として取り入れる企業は増加傾向にある。
米国では、WordPress、Dell、マイクロソフトなどの大手がビットコインによる決済を導入しており、その都度ビットコインの価格上昇が起こってきた。
2020年の夏頃には100万円前後で推移していたビットコインが、Paypalの仮想通貨決済の導入によって、2021年4月には700万円台まで暴騰している。
今後もビットコインの決済需要の増加に伴なって、価格上昇の可能性が高まると予想される。
■ビットコインの価格推移
ビットコインの価格推移 | |||||
年 | 月 | 最安値 | 月 | 最高値 | 備考 |
2011 | 1月 | 24 | 11月 | 320 | |
2012 | 1月 | 160 | 11月 | 3200 | 半減期 |
2013 | 1月 | 1200 | 12月 | 10万 | 過去最高値 |
2014 | 12月 | 3万 | 1月 | 8万 | |
2015 | 1月 | 2万 | 11月 | 10万 | |
2016 | 1月 | 4万5千 | 7月 | 7万 | 半減期 |
2017 | 1月 | 8万4千 | 12月 | 233万 | 過去最高値 |
2018 | 12月 | 35万 | 1月 | 200万 | |
2019 | 1月 | 36万 | 6月 | 147万 | |
2020 | 3月 | 40万 | 12月 | 212万 | 半減期 |
2021 | 7月 | 360万 | 11月 | 777万 | 過去最高値 |
2022 | 12月 | 211万 | 3月 | 562万 | |
2023 | 1月 | 217万 | 7月 | 450万 | |
2024 | 1月 | 560万 | 3月 | 1000万 | 半減期・過去最高値 |
ビットコインは4年に1度半減期を迎え新規発行枚数が半分に減少します。
ビットコインの運用に欠かせないマイニングは、ブロックチェーンに記録する取引履歴を承認する作業で、高性能なコンピュータによって行われます。
半減期には新規発行枚数が半減するため、マイニングの報酬も半減することになりますが、このままですとマイニングが行われなくなり、ビットコインの運営に支障をきたすことになります。
そのためビットコインの価格は4年毎に価格が上昇するして、マイニング報酬が減少しないようにコントロールされています。
ビットコインの仕組みを継続させるためには価格上昇が必須条件となります。
この仕組みを理解するだけで価格の上昇時期が予想できるため、ビットコイン投資は初心者にも取り組みやすい投資ということになるのです。
■仮想通貨の税金
ビットコイン投資の利益は確定申告が必要で、20万円以上(扶養者は33万円以上)の利益が発生した場合課税の対象となります。
所得税は収入に応じて課税率がアップする累進課税が適用され、雑所得に分類され総合課税の対象となります。
そのため給与所得などの所得と合算した額に応じて税率が決まります。
仮想通貨の税率 | ||
課税される所得額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
330万円以下 | 10% | 97,500円 |
695万円以下 | 20% | 427,500円 |
900万円以下 | 23% | 636,000円 |
1800万円以下 | 33% | 1,596,000円 |
4000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |